粗飼料で利益倍増を狙うエナジーコンセプトって何?

■実践技術を利益の金額として評価しよう。
 あなたの乳牛が経済動物であるというのなら、その乳牛を飼養するための「飼養管理技術」というものも本来その技術や情報を実践に取り入れることで「いくらの利益につながるのか」ということを判断の基準にすベきでしょう。「…によいから」とか「先進的な技術だから」とかの理由で実利を伴わないことをムードで取り入れても経営の改善にはつながらないのではないでしょうか。生産コストの低減を声高に述べる方も大勢います。しかし、低減された生産コスト以上に収益が低下してしまえば、経営上のマイナスになることは明白です。「同じ収益ならばより安いコストと労力」で、そして「同じコストや労力ならばより高い収益を目指すのが賢い酪農経営者でしょう。こうした考え方に立って、飼養管理技術にとって最も重要な自給飼料の品質をNDF(ADF)とTDNとを一体化し、消化できるエネルギーとして評価し、収益を大幅にアップする方法論を「エナジーコンセプト」というのです。
3845(95日)今までより2ランク早生で子実・収量ともに驚異。東北地方の新エース!

■品種の選択でこれだけ利益が変わる。
●2種類のトウモロコシの経済評価●
高品質 低品質
面積あたりの収量(t/ha) 40 40
乾物率% 0.3 0.3
播種量(kg/ha) 25 25
種子20kgで播種可能な面積(ha) 0.8 0.8
種子20kgによる乾物収量(s) 9,600 9,600
TDN(%) 68 62
ADF(%) 28.3 36.9
NEL(Mcal/kg) 1.57 1.42
種子20kgによる正味エネルギー合計量(Mcal) 15,083 13,635
泌乳に回る分(60%) 9,050 8,181
種子20kgからの推定産乳量(kg) 12,230 11,055
乳価(円/kg) 85 85
種子20kgによる潜在的牛乳代金(円) 1,039,550 939,675
種子20kgによる潜在的牛乳代金の差(円) 99,875

 たとえば、ここに2種類の品種があったとします。一方は、収穫したときに子実が充実し、TDNの割合が68%(正味エネルギー1.57Mcal/s)あり、もう一方はいわゆる「茎葉型」として、売り出されている、子実割合が少なく、TDNの割合が62%(正味エネルギー1.42Mcal/s)のものだったとします。
 以前よりこの場で乾物摂取量や摂取エネルギーの重要性を述べてきましたが、読者の方々の中には、「我が家ではサイレージを制限給餌しているからあまり関係ないなあ」と感じている方も多いかもしれません。しかし、そうした場合であっても、給与されている全飼料のエネルギーの約4O%を維持に仕向け、残りの約60%を産乳に利用しているという乳牛の生理上の特質を知っていれば、粗飼料だってその例外ではないということに気付くでしょう。つまり、乳牛は、この飼料からのエネルギーは維持にまわし、別の飼料からのエネルギーを産乳にまわすというような器用なまねはしていないのです。ですから、サイレージの給与を制限しようがしまいが、摂取された飼料のエネルギーはほぼ一定の割合で維持と生産にまわされることになるというわけです。
 こうしたことから表のような試算をしてみると、二つの品種の乾物割合や収量が同じであったとしても(たいての場合は子実割合の高い品種の方が乾物収量も乾物割合も高くなるのですが…)、このわずか6%のTDNの差が、種子20sあたりでなんと約1O万円の収益差を生むことになるのです。
 さらに、コーンサイレージは、NDFが40%台で、水分が3O%、TDNが70%に近く、質のいいものであれば乾物で14〜15sも摂取可能です。制限給餌をやめて、畑を増やしてゆけばゆくほど乳量の伸ぴとコストの低減が同時に得られ、それが劇的な所得のアップになるのです(所得倍増も誇張ではありません)。
 繊維源としての購入粗飼料の単価が高いので子実割合の低い品種のコスト低減につながるとお考えのあなた、本当は、繊維源のコストを考えるより、粗飼料からのエネルギーが与える乳生産の増加の方がはるかに高いのです。
 安い購入粗飼料の方が有効だとお考えのあなた、安価に購入した粗飼料を自分で分析し、こうした評価をしたことがありますか。
 賢い酪農経営のためには、知識や惰報を実践するばかりではなく、こうした経済評価を考えれば、もっと利益があるとというものです。


3699(107日)西南暖地で台風前に刈り取るならこの品種。人気は関東・東北にも急上昇!

セシリア(115日)
3352・3358を圧倒的に凌ぐ収量で5日も早生。

セシリア(115日)子実の収量がダントツだからエナジータイプ