NDFとエナジーコンセプトがわかればキミの酪農は利益が倍増する。

■飼料をコストで考えるから損をする
 多くの酪農家や飼料設計コンサルタントの最大の誤りは、「飼料成分で一番高価なものは絨維質(粗飼料)でタンパクやエネルギーは安価なものが多い。だから粗飼料に対しては高い養分は求めない」ということではないだろうか。
 実際、そうした考えで、自給飼料に何のTDN価値のない、しかも、NDF(ADF)の高い粗剛な繊維のものをロールで栽培したり、極端にはTDN1sいくらだからとだけ計算して、買い餌1本で多頭化をしている酪農家もいる。
 繊維がコスト高だから、粗飼料をなるだけ少なくしようとすると粗濃比の関係から、結果的に極端にNDFの高い(75%以上)粗飼料を4〜5s程度給与することになる。コンサルタントは4〜5sで十分だと言うのだが、実際の牛はそんな粗剛なNDFの高いものだと五s以上も食えない。
 「食えないものを食わす」とどうなるか?濃厚飼料も含めた牛の全体の乾物摂取量がガタ落ちになり、乳量は落ち、夏ヤセし、繁殖障書が起こり、結局、所得率がガタ落ちになる。
 所得率が落ちたら頭数を増やし、所得全体を上げようとする人も多いが、西暦2000年以降のウルグアイラウンドの乳製品の自由化を考えたらリスクが大きすぎると思わないのだろうか。
 エナジーコンセプトというのは、TDNの高い、しかもNDF(ADF)の低いものを粗飼料で食い込ませ、濃厚飼料を含めた全体の乾物摂取量を上げて、乳量を上げていき、所得率を倍増させるというものだ。特に8,OO0sを超えたら、エナジーコンセプトでやらなければ牛がもたない。
■自給飼料は投資要因なのだ
 自給飼料を生産コストでいくらかかるかだけが重要と考える人が未だ圧倒的に多い。そういう人ほど乳量が上がらず、所得率を下げ、リスクの多い経営をしている。
 もし、生産コストだけを考えるなら、どうして根訓地区でマルチ栽培してまでデントコーンを作る酪農家がいるのか(現在1,000ヘクタールの規模になっている)。デントコーンの増収でマルチのコストをカバーするという考えではない。
 単位面積あたりのエネルギー価値を考えても乳牛の乾物摂取量を考えても、NDFの低いTDNの高いものでデントコーンに優るものはないからだ。高泌乳牛になればなるほど、酪農家は知っているからだ。TDN1s当たりの生産費はいくらだからなどと考えるから生産コストは安くても乾物摂取の上がらない、NDFの高い、食えないエサで結局損をしていることになる。
■繊維源を飼料畑から取るな
 エサをコスト要因として考える人は一番高い繊維源を自給飼料畑から取ろうとする。乾草やロールを作る人はそういう人が多い。
 しかし、NDF(繊維)はルーメンには必要であっても、反面、高いNDFは乾物摂取量の最大の制限要因と知ることがもっと重要だ。粗飼料からNDFを全体の75%以上取れとNRC飼料標準に記されている。
 NDFの75%を粗飼料から取ろうとするとNDFの高い粗飼料を与えれば、高い繊維を少なくできると考えていないだろうか。
 ポイントはここなのだ。高いコストの繊維を安く上げるために稲ワラ、刈り遅れの乾草やロール等のNDFの高い粗飼料をついつい与えてしまう。すると、エサ全体の乾物摂取が落ち、力ンジンの乳量が止まる。つまり、コストが安いが所得はそれ以上に落ちる。


コーンサイレージはエサとして
最も価値があるから
マルチなのだ。

3699(107日)西南暖地で
台風前に刈り取るならこの品種。人気は関東・東北にも急上昇!
3845(95日)今までより
2ランク早生で子実・収量ともに
驚異。東北地方の新エース!

「デントコーンを食い込ませる
技術が乳量を決めると実感!」
鳥取県・倉吉市の北村義博さん

■乾草をやめてデントコ‐ンにしたら
 鳥取県大山乳業の倉吉地区の北村さんを訪問した際、「夏場にデントコーンを食べなくなり、バルクが満タンになりません」と相談を受けた。エサのメニユーを聞くと「スーダンの乾草を3〜4s先ず与えて、デントコーンを給与している」とのことなので「スーダン乾草はNDFが高いから、デントコーンを先にやるか、あるいはスーダンの代わりにデントコーンを生草で8〜10s追加して給与したら」と助言した。
 北村さんの乳牛はタンパクが十分に給与されていたので、デントコーンの多給は問題なかった。案の定、そのあくる日からバルクは満タンになりはじめたとビックリしておられた。 この例でも解るように、牛は食う能力があるのに食えない(NDFが高い)エサを与えられているから食えないのだ。NDFの低い、エネルギーの高い粗飼料をいかに多く摂取させて、牛の産乳能力を上げる「エナジーコンセプト」こそが利益倍増の鍵なのだ。
 乳牛の持つ潜在的な産乳能力に満たない、NDFの高いエネルギーの低い粗飼料を与えるから乳牛は痩せ、繁殖障害も多発するのだ。TDNの生産費が安いから、繊維が高いからと、NDFや「エナジーコンセプト」を無視してはいないだろうか。
 所得率5O%にするのは、そう難しいことではない。
 「エナジーコンセプト」を正しく理解し、実践すれば、今の乳価でも十分実現できるのです。