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■自給するべきはエネルギー作物なのだ。
乳牛の飼料中、エネルギー源たる炭水化物は全乾物中、65〜75%を占める。タンパクのキロ当たり価格は確かに炭水化物より高いが、飼料中16〜17%でしかない。だから、何でも自給できるアメリカより、圃場面積に限界のある欧州でエサの大部分を占める炭水化物を出来る限り自分で作るためにデントコーンを栽培するのは、「低コスト、高泌乳」には欠かせない戦略なのだ。グラス主体だった英国でもパイオニアの超極早生ジャンナの出現によってデントコーンの面積が急増している。
炭水化物はNFC(非繊維性炭水化物−デンプン・可溶性糖分・ペクチン)とNDF(中性デタージェント繊維−セルロース・セミセルロース・リグニン)に分かれる。ルーメン微生物が必要とするエネルギー源であるこのNFCとNDFがバランスがとれていないと醗酵が安定しないし、DMI(乾物摂取量)も上がっていかない。
図@にあるようにNFCが乾物中35〜4O%のときがもっとも乳量が高い。
デントコーンがコスト的にもルーメン微生物にとっても最高の飼料であるのは黄熟期にはNFCが4O%、NDFが45〜50%になるからだ。つまりデンプンも密度が濃く、繊維も消化性が良く、水分もホドホドの「天然のTMR」になっているからだ。タンパクだって8%はあるのだ。巷で売られている配合飼料のNFCを良く調べたらNFCが40%前後のものが多くて驚いてしまうだろう。 |
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図@ 乳量と乾物摂取中のNFC(%)との関係

ノセックとラッセル(1988)より
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TDNがいくら高くてもNFCが高くなければルーメンには役に立たない。これでは「濃厚」飼料と呼べないのじやないか。つまり、それほどデントコーンは「濃厚」と「繊維」を満足させるのだ。だから、欧州の酪農家はデントコーンで「濃厚飼料」と「乾草」という、日本で言う買いエサを減らし、競争力をつけているのだ。
■熟期が遅いとこんなに損をする。
賢い酪農家ほど晩生種のいわゆる「見かけの収量」を追わない。台風も考えて、九州なら7月20日頃、関東ならお盆前後に適期に刈り取れる品種となると、パイオニア120日クラスでも遅すぎる。他社品種はもっと遅いから、もっと水分が多くなる。言うまでもなく、適期は黄熟期だ。サイレージを手でギュッと絞っても水がしたたり落ちず、手を広げてもバラけない程度のものだ。適期に達しない(つまり、遅い品種)を作ると当然、水分が高く、醗酵ロスと養分ロスが多いのは当然だが、NFCとNDFが黄熟期とその前では格段に違うのだ。
表@ 飼料のNDFおよびNFC(非繊維性炭水化物)含量
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NDF |
NFC |
コーンサイレージ
・末〜乳熟期 |
55 |
29 |
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・黄熟期 |
45 |
40 |
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コーン子実 |
9 |
75 |
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スーダン乾草 |
68 |
※ |
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@配合飼料 |
23.4 |
47 |
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A配合飼料 |
30 |
35.5 |
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配合飼料はエネルギー価としてはNFCを見れば思ったより濃厚ではない。その分コストは高いと言える。輸入乾草のスーダン乾草は、NFCは見るべきものはなく(TDNでも56%)NDFが68%と相当高い繊維で乳生産では効率の悪い繊維なのだ。
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表@でも解るようにNFCが29%から4O%、NDFが55%から45%と段違いだ。NFCが高くNDFが低い飼料はDMIも乳量もあげて行くだけでなく、サイレージの乾物収量も上がっていくのだから、買いエサを減らし、乳量を上げる結果となる。同じ作るなら、九州なら「3699」か「セシリア」、関東地方までは「セシリア」そして東北、北関東では「バーバラ(3845)」と「3699」がある。エネルギー満載の自給飼料で利益を倍増するパイオニアの「エナジーコンセプト」で来春の種子を選ぼうではないか。

3699(107日)
西南暖地で台風前に刈り取るならこの品種。人気は関東・東北にも急上昇! |

バーバラ[3845](95日)
今までより2ランク早生で
子実・収量ともに驚異。
東北地方の新エース! |

セシリア〔115日〕
3352・3358を圧倒的に凌ぐ収量で5日も早生 |
 
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