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■5〜10年先はどうなるのか。
我々は一昨年より、新しい時代の座標軸は
@2000年以降のウルガイラウンド-低乳価と起こりうる生産調整。
A牛肉の自由化−仔牛販売価格の長期低迷。
Bコメの自由化‐農地の更なる遊休化とその効率的利用という政治的課題。
C中国の工業化−穀物価格の高騰と売り手市場化。
D環境問題‐糞尿処理の政治問題化等々である
と主張して来た。
「乳価は下がらない」、「ウルガイラウンド以降も生産調整はない」等と説く酪農指導者もいる。
しかし、時代の流れを読まず、甘い見通しを語るのは酪農家への指針ではないはずである。酪農が自給飼料の質の向上よりも、ロールパックの普及や輸入粗飼料・配合飼料の多給という異常なスタイルに変わっていったのは、乳価はさほど下がらなかったのに配合飼料や輸入粗飼料が円高で大幅に下落したからだ。酪農家が自給粗飼料より濃厚飼料の多給と低質な粗飼料というメニューを選べば、当然、コストは高いものになり、乳牛1頭当たりの利益率は低下する。利益率が低下しても、頭数を増やせば利益そのものは増えるとばかりに自給粗飼料よりも多頭化と買いエサ主体を選んだ。
しかし、利益率低下を多頭化で力バーする戦略は、生産調整が本格化していないから出来るのである。生産調整・円安(買いエサ高騰)・乳価低下がおこれば、このバブル酪農は崩壊せざるを得ない。
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日本経済新聞 96.1.1より |
日本農業新聞 96.1.18より |
■中国が穀物論入の、超大国となる日は近い。
異変は1994年に始まった。94年12月に中国政府はトウモロコシの輸出を禁止した。95年3月には大豆も輸出禁止した。1993/94年の貿易年度には中国は約800万トンの穀物純輸出量を記録している。
しかし、1994/95年度には穀物純輸入量が1600万トンと推定される。僅か1年で2400万トンも需要の純増である。特にトウモロコシ量大豆等の飼料作物の需要の急増は人口が多いだけに1994年に政府備蓄を大放出しても国内穀物価格は60%も高騰したのである。
近年の中国の工業化による経済成長は著しい。ここ4年間で56%にも達する。経済成長すれば、肉・卵・牛・乳・ビールの消費が増え、家畜用の飼料作物の需要は急増する。
ビールの需要はドイツを抜き、米国と同じ位となった。問題は動物タンパクがこれほど需要が増えているのにまだ、1人当たりの消費は米国の12%位でしかないことだ。
中国の工業化は主として沿海地帯であり、そこは又、農業の中心地域であるから、農地は工業化に反比例して、減少し続けている。中国の人口密度は耕地面積に比し、日本よりやや少ないと言う位、耕地はかなり少ないのである。しかも、すでに中国の農業生産性は相当高い。だから、中国の穀物の需給バランスは需要の急増と供給の先細りで、急速に悪化している。
中国は、このまま世界中から食料を買い続けられるか?答えは「イエス」である。中国の工業化政策の成功は、外貨事情を好転させている。特に対米は昨年末で380億ドルの黒字で全く問題なく外国からお金で買える。
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日本経済新聞 96.1.17より
「輸出の主役は自動車。その部品まで輸入する時代。流れは円安だ。」 |
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日本農業新聞 96.1.18より
「円安とシカゴ相場でコストは圧迫される。エナジーコンセプトで乗り切ろう。」 |
■四月からの配合値上げと乳価の下げのダブル衝撃。
すでにシカゴ穀物相場は中国の一昨年よりの動きに敏感に反応している。米国には未だ1600万町歩の休耕地があるとは言え、十二億人という巨象が穀物超輸入大国になった時は価格の問題ではなく、世界は文字通り「中国を養えるか」という物理的問題となる。円高と買い手市場の安い買いエサの時代は終わったのだ。しかも、ウルグアイラウンドで生産調整も頭にいれるべきだ。真剣に考えれば考えるほど、ロールやグラス等のエネルギー価値の低い自給飼料プラス、配合の多給からデントコーンや質の高いグラスを如何に安定的に作るかの戦略に転換するべきだ。そして高タンパクのサプリメントか配合でバランスを取り、配合飼料中心から、自給飼料中心に切り換えるべきなのだ。
4月からは配合飼料価格が安定基金の枯渇で実質的な値上げに入る。キロ当たり5円以上の値上げが見込まれる。乳価が4〜5%の値下げとなれば自給飼料の高品質化しかないはずである。この問題は酪農家だけでなく、農協・行政が一体となって取り組む時代と主張したい。
【価格については96年1月13日現在での予測です。】
 
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