ロールを作って3年、やっとワカッタ。粗飼料(デントコーン)の質のスゴサ!

■ロールは何故、余つてくるのか
 ロールはかなり普及した。しかし、酪農経営上のマイナス効果は大きい。酪農家の中で「飼料設計通りの収量を収穫しているはずなのにロールが予定通り減って行かず、最後には余ってくる」と思いはじめる人が多い。
 
これは「余っている」のではなく「牛が食っていない」のだ。「余っている」と考えるのと「食っていない」と真剣に考えるのでは雲泥の差なのだ。それは、赤字で離農する酪農家がいるのとサラリーマンの何倍もの所得を稼ぐリッチな酪農家の差でもある。
 その差の原因はたったひとつ。「粗飼料の質」が解っていて、それを飼養管理で実践しているかどうかだ。濃厚飼料は所得格差の原因にはならないし、まして粗飼料の質をカバーできないことをハッキリ認識しなければならない。
■チャレンジ・フィーディングの誤解

 一昔前にチャレンジ・フィーディングなるものが流行った。当時の平均乳量は6千キロに届かぬものだった。そうした牛に濃厚飼料を出来るだけ多給して乳量を上げるというものであった。結果的に8千キロ位に乳量は上がった。そのことはいいこととしても、乳量は上がった分、買いエサである配合飼料の量とコストも上がっている。
注意しなければいけないことは、8千キロ程度なら、黄熟期に刈り込んだエネルギー満載のデントコーンサイレージの飽食や若刈りのグラスサイレージだけで十分可能だ。決して、濃厚飼料の多給が必要な乳量ではないことを知って欲しい。
 今、重大なことは、
その当時に比べても粗飼料の質は変わっていないどころか、口−ルの普及で悪化しているのに、乳牛の産乳能力は黙っていても9千〜一万キ口搾れる牛群が当り前になってきていることだ。そういう高泌乳牛に品質の悪い粗飼料を食わせ濃厚飼料でカバーしようとすると、繁殖や疾病の問題を必ず起こす。つまり、年間トータルの産乳量がガタ落ちになる。飼料設計と実際のDMIに食い違いが生じる原因だ。


粗飼料の摂取量を最大にしてから濃厚飼料で追い込んでゆくのが高泌乳牛のポイント。

■質を求めると量がない。どうする?
 7月号で特集したバンカーサイロは大反響であった。角型サイロやスタックサイロではいいものは出来ない。バンカーに、黄熟期に達した実のギッシリ詰まったデントコーンを、乾物率30%で1センチにスパッと切断し、踏圧をかけたものを徐々に量を増やして給餌してゆくと、牛は1ヶ月で素晴しいものになる。タンバクの供給をどうマッチさせるかがポイントだが、キミのバルクは満タンになること受け合いだ。
 よく、早生の熟期にして乾物率を上げるように言っても「量がとれない」とか「その分、買いエサが増える」という反論がある。つまり、質を取ると量がないという論法だ。粗飼料の質は全体的な乳量を確実に上げる。だから
極論すれば、良い自給飼料でまず質を取って、量がない時は、良い粗飼料を買ってでも乳量を上げるべきなのだ。言い換えれば、賃の悪い自給粗飼料は作る意味がない。このことが解ってくると質の良い粗飼料をより多く取るためにはどうしたら良いか考えるようになる。これがリッチな酪農家への第一歩なのだ。最近のパイオニア種子のように早生にしても収量の落ちない見事な品種が出来ている。よく注目しよう。


早生でも収量バツグンのセシリア