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酪農経営において購入飼料費は最大の支出であるにもかかわらず、特に濃厚飼料の給与量についてはあまり注意が払われていない。多くの酪農家は自給飼料の質や量とは関係なく搾乳牛一頭当たりおおむね10s/日の濃厚飼料を給与している。本当にこれだけの濃厚飼料が必要なのか?メニューの多くは、粗飼料の質や量など調査することもなく濃厚飼料の量が決められている。だからどんな良いエサを作っても濃厚飼料は滅らないのだ。今年は是非「近赤外線分析法(NIR分析法)」で粗飼料分析をやってみよう。自分の生産している自給粗飼料の質や量から、何が不足しているかを明らかにして、エサを組み立ててみるのだ。デントコーンのような乳のでるエネルギーの詰まった粗飼料を生産すれば、必ず買いエサは滅らすことが出来、所得率はまだまだ向上するはずだ。
※1 乾物摂取可能量はNDF値から推定した。 ※2 乾物収量はトウモロコシの黄熟期を100とした数値。牧草は一回収量当りの量 ※3 牧草は栄養成長期つまり早刈りでもNDFが高くトウモロコシと比較すると食い込めない ■粗飼料分析から何を知るか。
最近かなり普及してきたNIR分析法は十分な事前の補正と注意深いサンブリングや乾燥・粉砕(極めて重要な要件だが)が行われれば従来の方法と比較して25倍程度の早さで分析でき、しかも役に立つ情報が返ってくる。当社ではより産乳性の高いトウモロコシを選抜するため年間1500のサンプルをNIR分析にかけているが、表2はその一例を示したものだ。
データは次のことを語りかける。 (1)A品種は生草収量が6381sでセシリアより32%も収量が高いが、逆にセシリアのほうが産乳の正味エネルギー(NEL)が高く乳もでる。 (2)A品種はNDF値が高くセシリアと比較して食い込めない。乾物摂取量が下がる。 (3)A品種はセシリアと比較してデンプンが非常に低い。仮にこのサイレージを乾物で10sを給与するとしたら、デンプンを補うためにトウモロコシ圧ペンなどを約2.7sも追加しないとセシリア並みに乳が出ない。 (4)A品種はガサはとれても乳はでないし、余分なコストがかかる。エサは結局ガサじやなく品質なのだ。このデータに基づき今年は収穫期に実の詰まった早生品種を選ぶ方が得だ。 (5)また、A品種は水分が高くデンプンなどの分解がより早いので、微生物タンパクの合成を最大にするためいつもより分解の早いタンパクを給与する必要がある。 このように粗飼料分析を積み重ねれば、単に自給飼料の品質を教えてくれるだけでなく、乳量や不足分を補うためのコスト、あるいは改善点を明らかにしてくれる。また質の良い自給飼料を作れば濃厚飼料は少なくてすみ、道に質の悪いものを作ればもっと購入飼料が増えることもわかる。つまり今まで他人まかせになって酪農家がよくわからなかった、「エサと乳量とコストの関係」がわかるようになるのだ。これからはNIR分析結果をエサ会社に見せて例えば「デントコーン・サイレージを生草で30s給与したい。そのためのメニユーを作って欲しい」と頼もう。外国も日本も同じである。欧米では30〜40s給与はザラなのだから。それで乳量が増えず買いエサが少なくならないようなメニユーならエサ会社を変えるべきである。尚、当社のNIR分析は品種選抜のためで一般の分析は行っていない。NIR分析の調査項目は機関により異なるので希望されるかたは、農協等に御相談を。
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