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■すす紋病の被害が広がつている!
飼料用トウモロコシは他の畑作物と比べて病気の心配がいらないと思われがちだ。病気の発生を見るためにわざわざ畑に足を運ぶ人は稀だろう。しかし、知らない間に病気が広がり、気が付いた時にはトウモロコシ畑が病気で真っ白に枯れ上がっていた、という可能性が無いわけではない。近年その発生地域が全道的に拡大しつつあるすす紋病は、まさしくこうした可能性を持つ病気の一つである。今回はこのすす紋病対策について取り上げてみた。
■すす紋病つてどんな病気?
すす紋病という名前は知っていても、この病気を実際に自分の畑で確認した経験を持つ人はあまりいないはずだ。実際、この病気は数年前までは北海道でも大平洋岸の限られた地域でしか問題になっていなかった。しかし、比較的発生が多かった昨年はオホーツク海側や内陸部でも畑全体に広がる程の被害が確認されている。これらの地域では「まだ収穫期前なのに随分枯れ上がっているな」とか「早霜も降りていないのにこんなに枯れているのは何故だろう」と、すす紋病が登生している事を知らずに収穫した人も少なくなかったと思われる。
(写真1)は初期症状である。通常北海道では7月中旬から下旬にかけ、このように見た目では分かりづらい黄色の徴小斑点が生じる。やがてこの斑点は徐々に拡大して(写真2)のような長紡すい形の大型病斑になる。さらに症状が進むと大型病斑が重なり合い、茎葉全体を枯死させてしまう(写真3)。収穫期前にこのような状態になると、光合成が妨げられることによって全体の乾物収量だけでなく最も重要な子実収量が激滅し、ADF、NDF等の消化しづらい繊維の増加とあわせてサイレージの品質は大幅に低下する。
この病気は一般的に被害茎葉が畑に残留し、そこに寄生していた胞子が越冬した後、翌年これらが風などに運ばれて生育中の葉に寄生して発病する。特に地力を失った場所や雑草が繁茂して生育が軟弱になった個体から感染し始めるため、通常は畑の端から発生が見られ、条件(天候、汚染程度)によっては畑一面に広がる。一度すす紋病の被害が出たトウモロコシ畑ば前述のように病菌が残留、蓄積するので翌年から注意が必要だ。
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写真1 |
写真2 |
写真3 |
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これがすす紋病の初期症状 |
長紡すい形の大型病斑がでるのが特徴だ。 |
このようになると確実に
減収し、サイレージの
品質も低下する。 |
■すす紋病対策−抵抗性品種の重要性。
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すす紋病を防ぐにはどうしたら良いのか。一般的なすす紋病対策を(表1)に示した。対策の第一は「抵抗性品種を用いる」ことである。すす紋病に対する抵抗性はその品種間差が大きく、圃場でも(写真4)のように、一目でその強弱が判別できる。抵抗性にはいろいろなタイプがあるが、パイオニア品種「ディア−HT」のように、優れた品種特性を持つ既存品種に、すす紋病抵抗性をもつ遣伝子(HT遣伝子)だけを移入させ、高い成果を上げている例もある。しかし毎年のように病菌が畑に蓄積されると、いかなる抵抗性品種を栽培しても完壁にすす波病の発生を防ぐことはできなくなる。すす紋病菌が畑に蔓延する前に先に示した対策を併用し、病気を受け付けない強健なトウモロコシが育つ環境を作ることも極めて重要である。すす紋病多発地域はもちろんのこと、まだ発生が部分的な地域でもこれらの対策を面倒がらずに実践してほしい。 |

写真4 抵抗性品種はひと目で分かる!(当社品種比較) |
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〔表1]一般的なすす紋病対策 |
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対策 |
備考 |
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抵抗性品種を選抜する |
ノペタ、セリア、ディア-HT、3795年を通ぷ |
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施肥墨を多くする |
特に窒素、カリを十分に施用し強健に生育させる |
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適期に播種する |
遅播きすると発生しやすく被害も大きくなる |
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除草は徹底して行う |
特に雑草が繁茂しやすい畑の縁等を念入りに行う |
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深耕しをする |
胞子、菌糸を地中深く埋没させ発生を防ぐ |
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水捌けをよくする |
播種前にサプソイラー等で心土破砕する |
■すす紋病抵抗性に優れたパイオニア品種。
確実にすす紋病発生地域が拡大している現在、すす紋病抵抗性品種の選抜は品種開発の上で極めて重要な課題である。パイオニアは永年に渡り、新品種はもちろん、育種素材である自殖系統についても、北潅道内のすす紋病接種検定圃場や実際にすす紋病が多発する地域の試験圃場において厳しい選抜試験を実施している(写真5)。今年新発売の80日クラス、ノルダ、ノベタも、もちろんこうした厳しい試験の中から選ばれた品種である。
すす紋病は時として大きな被害をもたらすが、決して防ぎ切れない病気ではない。畑をよく見回り、早めに対策を立てることだ。そしてその際には抵抗性に優れたパイオニア品種を是非役立てていただきたい。 |

写真5 パイオニアすす紋病接種
検定圃場 |
 
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