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熟期に達する前のトウモロコシが被箱すると葉が薄茶色に変色し、一見急激に乾燥したように見えるが、実際茎と子実中に含まれる水分は非常に高い。もし、その時点でサイロ詰めをすると、サイロを開封する段階では考えていた以上に水分の高い、いわゆる「黒くてビシヤビシャの臭いサイレージ」が出来上がる。
カナダで行なわれたコーンサイレージの給与試験を紹介しよう。この試験では2分の1ミルクラインに達する前に被霜したコーンを使用した。被霜前、被霜直後に収穫したコーンサイレージと2度の被霜を受け、最初の被霜から12日後に収穫したコーンサイレージを乳牛に給与して比較した。
それによると被霜前、直後に収穫したコーンサイレージの水分は77%と75%で、水分が高く極めて食いの悪いものであった。一方、2度の被露を受け、12日後に収穫したコーンサイレージの水分は64%で、乳牛の最大乾物摂取量と高い産乳性を示した、と報告している。
この比較試験でも分かるように、最初の被霜直後にあせって収穫した場合、葉部のロスは多少軽減されるが、未熟なステージのため子実のデンプン含量が低く、水分も高い。このため家畜生産性の向上は見られなかったのである。
被霜したトウモロコシを前にしたら「急いては事を仕損じる!」という古い諺を思い出してもらいたい。
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生育ステージ |
1/2ミルクラインまでの到達日数 |
水分含量(%) |
デントコーンの収量性(%) |
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絹糸抽出期 |
35-45 |
80-85 |
50 |
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水熟期 |
25-35 |
80-85 |
60 |
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乳熟後期 |
15-25 |
75-80 |
70 |
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黄熟初期 |
5-15 |
70-85 |
80 |
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1/2ミルクライン適期 |
0 |
60-70 |
100 |
■被霜したトウモロコシに乳酸菌添加剤は郊果があるのか?
答えはイエスである。熟期に達する前に収穫された未熟なサイレージは、水分レベルが高い。そのため酪酸や他の好ましくない酸を生成するには最適な環境なのである。このような状況下でも、コーンサイレージ専用のパイオニア乳酸菌添加剤1132の添加効果は抜群だ。速やかに乳酸比率を高め、サイレージの発酵損失を最小限に抑えることで「乾物摂取量と産乳効果を高めるサイレージ」に変えていくのである。また、あせらずに収穫を遅らせ、水分の低いサイレージが出来てもパイオニア1132を添加していれば、サイ口開封後の二次発酵やカビを抑制し、バンクライフの長い高品賞なサイレージを供給するのに役立つだろう。
■デンプンの消化速度を加味してタンパクバランスをとる
熟期に達する前に収穫したコーンサイレージは、給与面で注意が必要だ。コーンサイレージは2分の1ミルクラインより早く収穫すると、正常なものより子実収量(デンプン含量)が低く、センイとタンパクのレベルが高い。分析上、センイ含量が高くデンプンも少ないが、可溶性糖分が豊富に含まれているため茎葉の消化率が高く、エネルギー価値はそれほど低くない。 しかし一般にルーメンでのデンプン消化速度は、コーンサイレージの水分が高まるにつれ増加する。これはルーメン微生物が急速にVFA(揮発性脂肪酸)を生成し、アシドーシスになるリスクが増すことを意味している。そこで、水分の高いトウモロコシのエネルギーレベルを保つために、VFAを生成する速度が低下するようにトウモロコシ圧片を加え、調整することを提案したい。
また、未熟なトウモロコシの可溶性タンパクは、微生物の成長や菌体タンパクを生成するためのエネルギー源として、急速に発酵するデンプンを必要とする。つまり、早い発酵をするエネルギーには、早く消化できるタンパク源を供給しないと、バランスがとれないのである。
デントコーンを多給しているフランスでは、尿素など速く分解するタンパク源を用い、バランスをとっている。日本では、大豆粕などでタンパクバランスをとることが、未熟なステージで収穫されたコーンサイレージを給与する上でのポイントになってくる。 |

猛烈な霜に当ったデントコーン。 |

見た目より茎の中には
水分が多く
含まれている。 |

熟期に達するまで
待ったデントコーン。
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■未来戦略は工ナジーコンセプトにある!
トウモロコシが被霜しても、まず慌てないことだ。未熟なステージで収穫するよりも、子実のデンブンを少しでも充実させることが重要だ。乳牛の生産性を高めるためには、コーンサイレージの特性を把握した上で、ルーメンの微生物活動を阻害しないエネルギーとタンパクバランスがとれた給与を行なうことある。コーンサイレージの優位性を十二分に引き出すことこそが、低乳価、飼料価格の高騰する時代を乗り切る酪農経営の未来戦略なのだ。
 
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