外為法改正!超円安で買いエサ大暴騰!

■異常な日本型酪農の崩壊
 大局的な農業政策の不在な我国の酪農業の異常さは、農地から収穫される作物を無視した飼料原料海外依存の加工酪農であることだ。土地を有効利用する畜産が酪農であるという基本を無視した政策不在を助長したのはこれまでの乳価高(国際比較の上で)・穀物相場の低位安定・そして円高であった。
この歯車が逆回転しはじめている。 乳価安はウルガイラウンド以降、もっと決定的になることは必至である。

今までも乳価は安くなって来た。しかし、乳牛の頭数を増やすことによって総売り上げ高を伸ばし、利益を増やして来た。この場合、増頭に応じて、飼料畑を増やしていないのが現状である。買いエサ比率が上がれば、損益分岐点は急に上昇する。
 
つまり、一頭当たりの利益率は落ちる。こうなると買いエサ価格の動向が経営を大きく左右する。つまり、他人まかせの割合が増える。

■日本から円が大量流出している。
 確かに日本は世界に冠たる輸出大国である。しかし、その大半は自動車・精密機器関連という一部の業種であり、農業はじめ、その他多くの産業は競争力はない。旧ソ連崩壊以来、世界の中・後進国はいっせいに資本を自由化し「工業製品供給国」となった。ソニーやトヨタ等は工場を中国・アジア・東欧諸国に移転させている。日本の高コストを逃れて「産業の空洞化」・「投資資金の流出」が激化しているのだ。
 日本の高いコストを是正する為に、弱い産業を保護するだけの規制を緩和・撤廃しなければ、ますます円は流出する。しかし、政府や官僚達の今までの「金融不安先送り政策」や「郵政三事業の行革」のモタツキを、世界の投資家は「日本の売り」として日本の円や株を売り始めた。
日本型資本主義システムの破綻が株安・円安である。これは一時的ではない。

■外為法改正の衝撃
 こうした非常事態に加えて4月1日より、外為法が改正される。外国の銀行や証券会社を通じて日本人の預金や株の売買が外貨で自由になる。日本の個人金融資産は1,200兆円ある。1人当たり1,000万円あると言われてもピンとこない。何故ならこのうちの50%を5%の資産家が持っているからだ。こうした人々は資産運用に敏感である。100万円も預金して3,000円位しか金利がつかない円預金や、下がるだけの日本株に投資しない。
 7〜10%の資産が海外で運用されると100兆円以上の日本円が流出する。金融資産で最もフトコロが深いのはドルである。つまりドルに日本円は向かう。あのノー天気な経済企画庁の予想ですら、西暦2004年には日本の経常収支は赤字になると言っている。
だから今年中に1ドル150円近くに、中期的には200円でもおかしくない。キロ100円以上の乾草を買って、どうやって酪農をやれるのか。考えるべきだ。

■穀物は豊作でも高値。これからどうなる。
 ラウンドアップ耐性や、BTなどの遺伝子組み換え大豆やトウモロコシが登場し、収量が大幅に伸びている。しかし、米国では穀物の期末在庫が減らず、需要が価格をひっぱる形で高値安定である。エルニーニョで不作になれば、どうなるか解らない。酪農家は戦略を変えるべきである。借地はどんどん飼料畑にする。飼料価値の低い、高いNDFの牧草をやめてデントコーンを増やし、買いエサを減らすことだ。未来や子供達に酪農を託そうと考えるなら…。