栽培管理の見直しでデントコーン収量の大幅UPだ!

 トウモロコシは、数十年にわたって継続的に品種改良が行われ飛躍的に能力が向上してきた。しかし、その能力は適切な栽培管理によって初めて発揮される。そこで今回は、栽培管理の中でも、特に肥培管理と播種精度について考えてみたい。

■土壌分析は肥培管理の必要条件だ!
【表1】 土壌分析値
 

pH

有効態
リン酸
(mg/100g)

交換性カリ
(mg/100g)

交換性
苦土
(mg/100g)

交換性
石灰
(mg/100g)

分析値

5.6

7.4

37.2

8.7

92.4

基準域

6.0〜6.5

10〜30

15〜30

25〜45

228〜343

 
北海道十勝地方のある酪農家から「最近連作障害が出ている」という相談を受けた。どのような状況なのか聞いてみたところ、「全体に茎が細くなって乾物収量が低下した」、「倒伏しやすくなった」、「登熟が遅くなった」といったものであった。この農家に今までの肥培管理方法について質問したところ、まず、圃場に還元しなければならない堆肥をトウモロコシ畑に均等に投入し、次にトウモロコシ専用の化成肥料を10a当り80キロ散布することを続けてきたということであった。石灰は何年も入れておらず、ましてや土壌分析などしたこともないということであった。
 当方からのアドバイスで土壌分析を行ってみたところ、その酪農家の圃場は、リン酸、カルシウム、苦土が不足しており、逆にカリは過剰であった(表1)。
これは、糞尿が過剰に投入され、しかも肥培管理がおろそかな圃場の典型的な分析値であり、トウモロコシに「連作障害と思われる症状」が出るのももっともである。では、適切な肥培管理とは、具体的にはどうした、ら良いのだろうか。

■低コストで品種の龍力を引き出す肥培管理。
 
低コストでトウモロコシの能力を最大に発揮させるためには、カンや習慣にとらわれた肥培管理ではなく、土壌分析に基づいた肥培管理をすることが重要だ。その肥培管理とは、まず土壌分析をして、計画している堆肥の投入量から必要なカルシウム資材(石灰)量を計算し、不足する成分のみを化成肥料あるいは単肥で追加するというものだ。
 糞尿には、窒素、リン酸、カリの3要素が含まれるが、その中でも窒素、リン酸に比べてカリが多く含まれている。そのため通常、スラリーあるいは堆肥を8トン投入していれば、カリ成分は充足されるから、その他の成分を化成肥料や単肥で合わせてやればいいのである。つまり、「まず糞尿を投入し、足りない成分を化成肥料と単肥で補う」という考え方だ。
 また、
糞尿が過剰に投入されている場合には、十分な量の石灰を散布し、カルシウム、カリ、苦土のバランスをとることで、トウモロコシが(硝酸態)窒素やカリを吸収する量を少なくする必要がある。
 
肥培管理は、飼料設計に比べてあまり重要視されていないが、肥培管理を適切に行うことで、肥料代を節約し、トウモロコシサイレージの収量、品質も向上させることができるため酪農家の経営に大きなプラスとなるのである。

■適正栽植本数で最大収量だ!
【表2】品種別の
適正栽植本数
  品種 適正栽植本数


セミラ 7,000〜8,000
ノルダ 8,000〜9,000
ノベタ 8,000〜9,000
セリア 8,000〜9,000
ディアHT 8,000〜9,000
クラリカ 7,000〜8,000
3845 7,000
36A43 7,000〜8,000
35G86 7,000〜8,000
3540 7,000〜8,000

バーバラ 7,000
36A43 7,000
35G86 7,000
3699 7,000
セシリア 7,000
33G26 7,000
32K61 7,000
3470 7,000

3790 7,500
3699 7,500
35G86 7,500
セシリア 7,500
33G26 7,500
32K61 7,000
3470 7,000
3008 6,300
3081 6,300
 パイオニアでは、過去6年間にわたり毎年全国80カ所以上でストリップテストという試験を行ってきた。これは、農家の圃場でトウモロコシの市販品種と試験品種を同一圃場で農家が普段行っているとおりの栽培方法で比較し、品種を選抜するという試験だ。
 この試験を通じて判明したことは、農家での実際の栽植本数が適正本数より平均して10%以上少なく、20%以上少ない圃場もザラであったこと。そして、
当然のことながら適正本数に近いほど乾物収量が高いことであった。つまり、適正本数(表2)を守ることが高収量のポイントだというワケだ。
 
適正本数を守るためには、
@発芽率(100%とは限らない)、虫害、鳥害などを考慮に入れて、表示されている適正栽植本数より5−10%程度多く播種できるようにプランターを設定する。
A種子の形状によって適正な播種盤に交換する(平種用の播種盤は必需品!)。
Bゆっくりと播種する
―などに注意する必要がある。
 また、プランターによっては構造的に播種精度が悪いものがある。
真空播種機や最近普及しつつあるフィンガーピックアップ式のプランターは、価格は比較的高いが、播種精度が高いため、投資価値のある機械といえる。ぜひとも、導入を検討してもらいたい。今年ももうすぐトウモロコシの播種時期だ。パイオニアの種子と正しい栽培管理で最大収量を目指そう!

パフォーマンス革命!
雌穂サイズが大きく栄養性にも優れる
「セミラ」(左)

新品種続々登場!
初期生育バツグンで多収性の
「35G86]