高温年でも低温年でも実力発揮
−新100日クラス「36B08」と110日クラス「33J24」−
■進む温暖化?この20年間の積算温度の推移。
地球温暖化の影響ではあるまいが、昨年、そして一昨年の夏は猛暑と言える暑さだった。ここ20年間の栽培期間(五〜九月)の単純積算温度(毎日の平均気温を積算した値)を調べてみると、最近5年間はほぼ毎年積算温度が上昇している事がわかる。つまり年々暑くなっているわけだ。しかし20年間を通して見ると、必ずしも気温が一方的に上昇しているような傾向は明らかでない。ただ最近の10年間については温暖な年と冷涼な年の差がかなり激しい。20年間の高温年ベスト3も最近の7年間にあり、ここ数年極端に暑い夏が多かったのは事実である。
従来、トウモロコシの品種選定は主として冷害年の減収や品質低下を避けることに主眼が置かれてきた。だが高温年の問題はあまり取り上げられていない。今回は高温年に見られるトウモロコシの生育と障害の特徴、そしてそれらに対する品種選定のポイントについて考えてみたい。
■猛暑がとうもろこしの生育に与える影響は。
一般的に高温年はトウモロコシの豊熟がよく進み、しかも乾物生産が増加するので収量も多くなる。ただし開花時期に干ばつを伴った高温が続くと受粉障害から不稔個体が増加することがある。気温が高いほどトウモロコシの生育期間は短縮されるので、過度の高温は必ずしも増収につながらない場合もある。またこの場合は豊熟の進みすぎ(過熟)も問題となる。
例えば、ここ2年問は平年に比べ積算温度が200度C前後も高かった。この場合、通常推奨されている品種を作付けすると九月上〜中旬には刈取り適期に達してしまう。昨年はこの時期の天候が悪かったので作業が進まず、結果的に刈り遅れとなったケースが多く見られた。特にその地域でやや早生の品種を作付けした場合は、豊熟が極端に進みすぎたりまた収量も予想よりやや低かったかもしれない、高温年の枯れ上がりは病害によっても助長する。昨年は収穫前に茎葉が枯れてしまう茎(根)腐れ病の発生がかなり見られた。この病気は土壌中の菌によって引き起こされるが、夏期高温で豊熟が過度に進んだ時に被害が特に著しくなる。例年問題となるすす紋病も熟期が進めば進むほど加速度的に病害が広がりやすく、事実、昨年は多くの場所で例年にない発生を確認している。すす紋病のような葉の病害は茎腐れ病の進行を更に加速することも知られている。
茎(根)腐れ病。
熟期が進みすぎると
被害が急速に広がる。
スス紋病抵抗性は
流通品種中最強レベルの
「36B08」
(写真左、右は対照品種)
■病気に強く緑度保持力の優れた品種が高温年にも実力発揮。
2年続きの高温で今年の品種選択を迷う方も多いだろう。しかしこの高温が今年も続く保証はない。より晩生の品種への切り替えはやはり危険を伴うものと認識して欲しい。ポイントとなるのは熟期だけでなく品種の耐病性と緑度保持力(ステイグリーン)だ。高温年の場合どうしても豊熟が早く進み、右記のように病害を伴えば一層枯れ上がりが早くなる。もともと気象条件の良い道央南ではこの危険が更に高い。高温年に強いのは病気に強く、急激に枯れ上がらない緑度保持の良い品種ということになる。
■新品種「36B08」と「33J24」なら生育期間を常にフル活用できる。
今年新発売の100日クラス「36B08」と110日クラス「33J24」はともに耐病性に極めて優れ、生育終期まで完壁な緑度保持力を保つ。しかも耐倒伏性が抜群なので、低温年には生育可能期間をフルに活用して豊熟を進めることが可能だ。また高温年には病気に強く、緑度保持が良いために天候の関係で少々刈り遅れても茎歯木が枯れ上がる心配がない。100日以上の晩生品種は、道内でも気象条件に恵まれた地域で栽培されている。 確かな収量の決め手はどんな気象条件でも生育期間をフル活用できる品種の選定だ。「36B08」と「33J24」なら高温年でも低温年でも安心して作付けできる、道央南の新しい基幹品種だ。
ともに短稈・アップライトで対倒伏性抜群、
生育終期まで緑度保持力が優れる「36B08」と「33J24」![]()
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