トウモロコシ専用サイレージ調製用乳酸菌
 パイオニア1132倒伏したトウモロコシへの添加効果

1.倒伏したトウモロコシの問題点
 倒伏したトウモロコシをサイレージ調製する際の問題点は、材料への土の混入量が多くなることです。
 トウモロコシが茎折損を起こし、枯れている状態であれば、カビの発生が多くなります。このカビの発生は、サイレージ表面だけではなく、サイロの内部に点在する状態になる場合が多く、給与する際にカビを取りきれずに乳牛の健康状態・飼養管理面で問題を生じることが多くなります。
 トウモロコシの水分割合が高い状態で詰込んだ場合には、通常では生じない酪酸発酵が起こりやすくなり、乳牛の採食量・産乳量の低下につながる場合が多いようです。

2.サイレージ調製作業上の対策
 水分割合が高い場合も低い場合も基本的な対策は、1.通常より短めの切断長(6〜8mm)に設定する、2.鋭利な切り口を確保する、の2点にしぼられます。この対策によって実現しようとしている目的は、詰込みの密度を高め、サイレージの密度むらが起こらないようにしサイレージ内部に発生するカビの量を極力少なくし、かつ、出来上がったサイレージの採食量を高めることです。
 排汁の移動が起こるとサイレージ上部のカビの発生がはなはだしくなるので、普段より多めの重石を乗せることも実践上の工夫となります。

3.1132の添加によって期待できる効果
 通常、倒伏したトウモロコシでサイレージ調製をした場合には、30〜40%程の損失があるとされています。
 トウモロコシ専用サイレージ調製用乳酸菌パイオニア1132は、トウモロコシサイレージの「好気的な変敗(二次発酵の防止とカビの発生を防ぐ)」を目的に開発された特殊菌株を組み込んでいる製品です。そのため、この製品を利用することで、この損失割合を約半分程度に押さえることが可能でしょう。
 また、高水分で詰込む際には、通常より、産乳量の低下が少ないという結果にもつながるでしょう。

倒伏したトウモロコシへの酸添加について
 アンモニアに殺菌効果があるということで倒伏したトウモロコシへギ酸アンモニウムを添加することを奨める方がいますが、添加してもカビの発生や二次発酵の防止に関しては効果がないと思われます。その理由は、アンモニアに殺菌効果があるといわれているのは、アンモニアそのものに殺菌効果があるのではなく、アンモニアを添加することで材料がアルカリ性になることで生じる効果であるからです。
 ギ酸アンモニウム製品は、ギ酸そのものでは作業機への負担が大きくなりすぎるために製品のpH値を3.5〜4.0に調製するためにアンモニアを加えたというものですので、材料をアルカリ性に傾けることは不可能です。すなわち、製品中にいかにアンモニアが含まれているとはいえ、このことによるカビ防止効果は期待できないでしょう。
 高水分牧草にギ酸アンモニウムを加えた場合には、材料中の水分割合が高いため、製品の有機酸とアンモニアのイオン化が進み、これによって「高水分牧草サイレージの二次発酵防止効果の改善」が期待できるとされているのとは、また別の話なのです。すなわち、ギ酸アンモニウムの添加で「二次発酵防止効果」が期待できるのは、均質な高水分材料に添加した時だけなのです。


 倒伏したトウモロコシのカビの発生は、
1.土の混入量が多くなること、
2.枯死した葉部に発生したカビの胞子が大量に混入すること、
3.切断長を均一にしづらいこと、
4.部分的な水分割合の不均衡が生じること、などによって、サイロ内部の詰込み密度が不均一になることが原因です。つまり、材料の調製条件としては、詰込み密度も不均一、材料の水分割合も不均一な材料なのです。
 このような材料で作られたサイレージには、サイロ表面のカビの発生より、サイロ内部に点在するカビの発生の方が問題となります。これを完全に防ぐための添加物は、製品それ自体に殺菌効果のある「プロピオン酸系の添加剤(プロサン、プロピオン酸アンモニウムなど)」しかありません。添加量としては、1〜2%(サイレージ1t当り10〜20kg)となるでしょう。全量に添加する場合の添加コストとしては莫大な金額(サイレージ1t当りに3,000〜5,000円)となってしまいます。


 低コストで問題を解決するためには、まずサイレージ調製の工夫として「サイレージの詰込み密度をできるだけ均一化する」ことです。そのためには、
1.切断長を通常より短めに設定する(6〜8mm)、
2.切断面を鋭利にする(受け刃の交換、受け刃とのあわせ調整、切断ブレードの研ぎなど)、ことに気を使ってください。

 サイレージ調製用の製品としては、好気的な変敗(カビの発生と二次発酵)防止のために特別な乳酸菌株を組み込んである「トウモロコシサイレージ専用調製用乳酸菌パイオニア1132」をお勧めします。通常であれば、30〜40%ある調製損失を約半分にすることが期待できます。特に、サイロ内部に点在するカビの発生防止には多大な効果が期待できるでしょう。
 更に、バンカーサイロの壁際や表面にプロピオン酸を添加し、密封することで調製コストを低下しつつ、調製損失の低下にもつながるでしょう。

 タワーサイロの場合には、1.追い詰めを止めること、2.一日で詰め切れない場合には、その日の最後のワゴンと翌日の最初のワゴンにプロピオン酸を1〜2%添加する、ことで調製損失を最小限にとどめることが可能です。


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