除草剤による薬害に注意! ■初期生育の異常と薬害
播種が終った後のトウモロコシの発芽がおかしい、あるいは発芽に問題がなかったのに稚苗の生育が正常でないといった経験はないでしょうか。こんな場合の原因の一つには除草剤による薬害が考えられます。■環境条件で異なる被害程度
トウモトコシ用に登録されている除草剤では薬害によりトウモロコシが完全に枯死してしまうようなケースは稀です。また薬害は環境要因との関連が強いので、同じ量の除草剤で同じ様に処理しても場所や散布時期によって薬害が生じる場合と、全く影響がない場合もあります。普通は多少の薬害が生じても生長に伴ってその症状は消えてしまうので、薬害は単なる生育不良として認識されるケースがほとんどです。■薬害が生じやすい条件
薬害が生じやすい条件はどのような条件でしょうか。薬害の症状は使用する薬剤によって異なりますが、共通しているのは、特に「発芽−稚苗期に低温や土壌の過水分、日照不足等によるストレスを受けている時が危険である」ということです。これはストレスによって植物体の代謝能力が衰えることに起因しています。
北海道では5月下旬から6月上旬頃に一時的に低温が訪れる場合が多いのですが、これはトウモロコシの発芽―稚苗期と一致します。北海道のトウモロコシは常に薬害を生じやすい環境条件下にあるということです。こうした条件下での除草剤散布は、ストレスを助長し生育の更なる停滞を招き、顕著な被害を生ずる危険があります。
土壌処理に用いられるアラクロール(商品名ラッソー)やメトラクロール(商品名デュアール)は、発芽までの低温、土壌水分過多、土壌のしまりすぎ、過度の深植え等の条件により薬害を起こしやすく、地中での発芽不良や生育異常を起こします。高濃度での散布は薬害を更に助長しますので規定濃度は正しく守ることが必要です。
生育処理の場合、低温条件下での除草剤散布は出来るだけ避けるように心がけてください。また雑草が多くどうしても直ちに散布する必要がある場合は、規定濃度を上回ることがないように注意が必要です。(出来れば低めの濃度で散布する)トウモロコシが霜害を受けた場合にも、被霜直後の散布は避けるようにしてください。■ニコスルフロン剤(ワンホープ)について
主に生育処理剤として使用されているニコスルフロン剤(商品名ワンホープ)はこれまで厄介であったシバムギも防除できる便利な除草剤として最近使用が増えているようです。しかしこの薬剤は特定のトウモロコシ品種に使用するとその生育を著しく阻害する場合があります。農薬メーカーからは使用可能な品種のリストが出ているので事前に必ず確かめてください。
パイオニア品種では80日クラスのノルダ、90日クラスのカリメラがこの薬剤に対する感受性が強く、これらの品種に対してはワンホープの使用は避けてください。(九州で使われている二期作専用品種3008も同様です。)また、使用可能とされている品種についても先に述べたようにストレス条件下では薬害が発生する恐れがあります。使用基準を守って使用してください。なお、パイオニアではニコスルフロン剤については独自にスクリーニングを行い品種に対する安全性の確認を行っています。
商品名 一般名 薬害の症状 薬害を起こしやすい条件 ラッソー
デュアールアラクロール
メトラクロール●地中での出葉
●異常な葉の展開●高濃度での散布
●ストレス条件下(低温・水分の高い土壌)での散布ワンホープ ニコスルフロン ●伸長葉の黄化
●生育抑制l
●葉の奇形●品種
●異常高温、過湿、乾燥、低温等のストレス条件下
●有機リン系殺虫剤との近接散布技術情報一覧
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